ITフリーランスとして活動するときに重要となるのが、クライアントとの連絡手段です。
「Slack」や「Zoom」はよく使われるビジネスチャットツールですが、自分の働き方にどう組み込めばよいか迷うこともあるでしょう。
この記事では、SlackとZoomそれぞれの特徴を解説していくのでぜひ参考にしてみてください。
目次
Slackとはどんなツール?

Slackは、エンジニアをはじめとする多くのビジネスパーソンに利用されているビジネスチャットツールです。
テキストでのやり取りを中心にプロジェクト管理や外部ツールとの連携、ファイル共有まで日常業務を効率化するための機能が揃っています。
ここでは、Slackでできることを紹介します。
やり取りをスムーズにできる
Slackを使えば、日々の連絡や報告をテンポよく進められます。
Slackでは、やり取りの内容に応じて「チャンネル」と呼ばれるグループを作成できます。
「外注チーム」「得意先」「営業先」などのチャンネルを作り区分けすれば、目的ごとに会話を整理できて必要なやり取りに集中しやすくなります。
また、Slackには音声通話やビデオ通話の機能もあり、ちょっとした打ち合わせや面談であれば問題なく対応できます。
外部サービス連携に優れている
Slackには、カレンダーやタスク管理、クラウドストレージなどの外部ツールと連携できる仕組みがあります。
例えば、Googleカレンダーと連携すれば会議の予定を自動で通知できる他、Googleドライブとつなげて資料の共有や更新通知を受け取れます。
外部連携は、Slack内のアプリ機能から簡単にできるのでとても便利です。
過去の情報が探しやすい
Slackでは、チャットでやり取りしたすべてのメッセージが検索対象となるため、必要な情報をあとから見返したいときにも便利です。
「あのときどう決めたんだっけ?」
「資料を共有したのはいつだったか?」
このような場面でも、キーワードや送信者、期間などで絞り込めば関連する会話や添付ファイルをすぐに見つけられます。
プロジェクトが長期にわたる場合や、複数案件を同時に進めている場合でも過去のやり取りをたどりやすく、情報の抜け漏れを防ぐ上でも役立つ機能です。
ファイルはチャンネルや会話ごとに整理され、自分が送信・受信したものも一覧で確認できます。
また、重要な投稿にはピン留めやブックマークを設定可能です。
Zoomとはどんなツール?

Zoomは、オンラインでの打ち合わせや面談、セミナーなどに幅広く使われているビデオ通話ツールです。
高品質な映像と音声に加え、少人数から大規模な会議まで対応できる柔軟さがあり、個人で仕事をするエンジニアやフリーランスにとって頼れる存在です。
以下、Zoomでできることを紹介します。
対面に近い感覚でやり取りできる
Zoomの強みは、映像がとても安定していることです。
安定した環境で会話が途切れにくいため、対面で話しているような自然なコミュニケーションが可能です。
お互いの反応を見ながら進めたい打ち合わせや、細かなニュアンスを伝えたいときはテキストでのやり取りよりもZoomが適しています。
また、画面共有機能を使えばPC画面を見せながら説明できるため、資料の確認などがスムーズに行えます。
ウェビナーにも対応可能
Zoomは、1対1の通話や少人数の会議だけでなく、大人数を対象にしたオンラインセミナーを開催できます。
参加者の役割を分けたり、質疑応答の進め方をコントロールしたりできる「ウェビナー機能」が用意されており、多くの視聴者を対象とする場でも対応可能です。
5人程度のグループでの意見交換や、セミナー後の振り返り、チーム単位でのディスカッションなどができる「ブレイクアウトルーム」も便利です。
会議の内容を記録して共有できる
Zoomには、ミーティングの内容を録画する機能があります。
録画はパソコンやZoomのクラウドに保存され、必要に応じてURLを共有すれば参加できなかったメンバーにも内容を届けられます。
また、文字起こし機能を有効にすれば、会話の内容をテキストとして記録することも可能です。
聞き逃しや記録ミスの不安を減らせる他、後日内容を整理する際にも役立ちます。
SlackとZoomの機能を比較

SlackとZoomは本来の用途が異なるツールですが、仕事の内容によっては、どちらか一方だけで十分な場合もあります。
どちらをどう使うべきかを見極めるには、それぞれの特徴を比較しながら整理してみるのが効果的です。
ここでは3つの観点から、それぞれの違いを見ていきます。
コミュニケーション形式
Slackはテキストでのやり取りに適しており、報告や相談などを気軽に交わせます。
1対1での音声通話やビデオ通話にも対応していますが、無料プランでは1対1通話のみに限られ、複数人での通話や画面共有を行うには有料プランが必要です。
Zoomは、1対1の通話であれば時間無制限で利用でき、3人以上の会議も無料プランで最大40分まで対応しています。
顔を見ながらのやり取りが多い場合や、複数人でのミーティングを頻繁に行うのであればZoomが適しているでしょう。
セキュリティ
Slackでは、一つのプロジェクトや組織ごとに作られる「ワークスペース」にアクセス権限を設定でき、チャンネル単位で参加メンバーを制御することも可能です。
例えば、外部パートナーを一部のチャンネルだけに招待したり、社内メンバーごとに閲覧範囲を制限したりといった柔軟な運用ができます。
管理者は、ユーザーの追加・削除、チャンネルの公開・非公開の切り替えなども自由に操作できるため、複数のプロジェクトが同時に進行している場合でも安心して使える仕組みです。
Zoomの場合は、ホストが参加者を直接管理する設計になっています。
会議ごとにパスワードを設定したり、「待機室」機能を使って、承認した参加者だけを入室させたりといったことができます。
特に、不特定多数がアクセスするようなウェビナーでは、こうした仕組みが有効に機能します。
拡張性
Slackは外部サービスとの常時連携に優れており、GoogleカレンダーやGoogleドライブ、タスク管理ツール、クラウドストレージなど日常的に使うツールと簡単に連携できます。
通知や進捗の共有、ファイルのやり取りといった情報がすべてSlack上に集約され、業務全体のハブとして機能するのが特徴です。
Zoomは、会議単位での拡張に特化しています。
Googleカレンダーと連携すれば会議の予定が自動で作成され、録画データはクラウドに保存して共有できます。
CRMや営業支援ツールと連携して、商談や面談の記録を業務ツール側に取り込むような使い方も可能です。
つまり、Slackは日常的なやり取りの基盤として、さまざまな業務ツールと連携しながら使うのに適していると言えるでしょう。
通知やタスク管理、ファイル共有などを一か所に集約できるため、業務全体の効率化に役立ちます。
Zoomは、必要なときに会議を円滑に進めるための機能拡張が中心です。
カレンダーや録画管理など、会議の前後をサポートする仕組みはありますが、日常業務そのものを整理・管理するツールとは性質が異なります。
SlackとZoomの料金プラン

SlackとZoomはいずれも無料から使い始められますが、本格的に業務に組み込むとなると有料プランを検討する場面も出てきます。
ここでは、それぞれの料金体系をお伝えします。
無料プラン
Slackの無料プランでは、メッセージの保存期間が過去90日までに制限されています。
過去のやり取りをさかのぼって検索したい場合や、ファイルを継続的に共有したい場合には少し物足りないかもしれません。
また、ファイルストレージにも上限があり、大きな資料のやり取りには不向きです。
Zoomの無料プランは、1対1の通話であれば時間無制限で使えますが、3人以上の会議になると40分の制限があります。
3人以上の打ち合わせが多いときには、やや不便を感じることがあるかもしれません。
有料プラン
Slackの有料プラン(Proプラン)は、1ユーザーあたり月額1,050円(年間払い)で利用できます。
有料版に切り替えると、すべてのメッセージ履歴が検索できるようになり、チャンネルのアクセス管理やゲストアカウントの制御も可能になります。
複数の案件を並行して扱っている場合や、外部のクライアントとやり取りするチャンネルを分けたい場合などに便利です。
Zoomの有料プラン(Pro)は、月額1,999円(年間払い)で、無料プランにある40分の時間制限が解除されます。
クラウド録画やスケジュール管理との連携など、打ち合わせの準備や記録に役立つ機能も追加されるため、1日に複数の商談や面談をこなすようなスタイルには向いています。
まずは無料で始め、必要となったタイミングで有料プランに移行するとよいでしょう。
まとめ
ITフリーランスにとって質の高い成果を出すことはもちろん重要ですが、それを支えるのがクライアントと円滑にやり取りできる環境です。
SlackとZoomはいずれも無料で始められ、用途に応じたコミュニケーションが可能な便利なツールです。
どちらも機能面に優れており、無料プランでも多くの業務に対応できます。
仕事のスタイルやクライアントとの関係に応じて、どちらを軸にするか、あるいは場面ごとに使い分け、スムーズで快適な仕事環境を整えましょう。