ITストラテジストの経験を活かし、副業で稼ぎたいと思っていませんか?
企業のデジタル変革が進む中、ITストラテジストの需要はますます高まっていますが、「本業とは別の収入の柱を作りたい」と考える方も多いでしょう。
この記事では、ITストラテジストとしておすすめの副業についてお伝えします。
目次
ITストラテジストに適した副業の種類

ITストラテジストには、どのような副業が適しているのでしょうか?
ここで具体例を紹介します。
IT戦略の企画・コンサル
ITストラテジストの経験を活かせる副業として、企業のIT戦略を支援する案件が挙げられます。
主な仕事内容は、クライアントの課題を分析し、数年先を見据えたIT計画やシステム導入の方針を決めていくことです。
経営幹部に対して、ITへの取り組みが売上や業務の効率化にどう貢献するのかを、具体的に示す力が求められます。
例えば、製造業の中小企業に在庫管理システムの更新を提案し、「在庫の回転が早くなることで資金繰りがどれだけ改善するか」を数値で示す、といった支援を行います。
DX推進支援
企業のデジタル変革(DX)を継続的に支援する副業案件です。
DXはシステムを導入すれば終わりではなく、業務の進め方や組織の考え方を見直す必要があるため、外部から客観的に助言できる人材が求められます。
近年は、正社員では確保しにくいDX経験者を、副業や業務委託で採用する企業が増えているため、ITストラテジストが関わりやすい分野です。
副業としての働き方は、週1回のオンライン会議への参加や進み具合の確認を中心としたアドバイザー型が一般的です。
現場の課題整理や経営層への報告を行い、無理のない範囲で継続的に関われます。
例えば、紙で運用していた受発注業務をオンライン化する案件では、担当者が新しいシステムに慣れるまでの研修計画を立てたり、段階的に導入を進める計画を提案したりします。
現場の抵抗をどう解消するか、経営層と実務担当者の認識をどう一致させるかといった、人と組織の課題に対応する力が必要です。
DX推進支援では、ITストラテジストとして培った変革を進める力が役立つでしょう。
業務プロセス改善支援
既存業務の流れを分析し、効率化や自動化を提案する副業案件です。
企業が自社で専任担当者を置くほどではない小規模な改善テーマを、ITストラテジストなど外部の専門家に依頼する企業が増えています。
特に人気があるのは、短期間で効果が見えやすいデータ入力や転記作業などの繰り返し作業の自動化支援です。
オンライン会議を中心に現場からの聞き取りと改善提案を行い、資料作成やツール設定のサポートをリモートで進める形が一般的です。
IT人材育成・研修講師
IT人材育成の研修講師は、ITストラテジストの専門知識を活かしやすい副業です。
IT戦略の立て方、プロジェクトの進め方、システムの企画や要件の決め方などについて社員研修や管理職向けのセミナーを担当します。
オンライン研修の増加により、出張を伴わずに講師を務める機会が増え、平日夜間や週末を使って取り組むことも可能になっています。
研修会社や企業の人事部門から、特定のテーマで1回限りの講師を依頼されるケースが中心で、常勤を求められることはほとんどありません。
受講者のIT理解度を見極め、実際に業務で使える内容に組み立てる力が求められます。
例えば、ITに詳しくない社員向けに「DXの基礎」や「IT投資を判断する際の考え方」を教える研修などが挙げられます。
講師資料を一度作成しておけば、他社の研修でも再利用できるため、時間効率の高い副業です。
ITストラテジストとして副業を始めるための準備

副業を始める際は、どのような準備をすればよいのでしょうか。
ここでは、副業をスムーズに進めるためのポイントを解説します。
就業規則の確認
最初に行うべきは、勤務先の就業規則で副業の扱いを確認することです。
近年は多くの企業で副業が認められていますが、届け出が必要だったり、許可を得なければならなかったりする場合があります。
人事部門に確認するか、就業規則の「兼業・副業」の項目を見ておきましょう。
副業が認められている場合でも、競合企業への関与や社外秘情報の利用は禁止されています。
また、本業で得た情報を副業で使うことは、契約違反や情報漏れに該当する可能性があります。
そのため、ITストラテジストが副業を行うときは、本業で関わる業界や取引先と競合する企業の支援は避けるべきです。
判断が難しい場合は、上司や人事へ相談しましょう。
スキルの棚卸し
これまでの経験を振り返り、以下のような項目を整理しておきましょう。
- 関わった業界やプロジェクトの規模
- 担当した工程
- 数値で示せる成果
ITストラテジストの場合、業界の知識とIT戦略の経験の両方が強みになります。
具体的な成果を数値で示すと説得力が増します。
整理した内容を基に経歴書や自己紹介文を作成しておくと、案件に応募する際にすぐ提示できます。
稼働時間の設計
副業を長く続けるためには、無理のない働き方の設計が欠かせません。
本業の忙しい時期や残業時間を考慮し、週10〜15時間程度を上限に設定するのが現実的です。
平日夜に2時間、週末に半日ほどの時間を確保するペースなら、継続しやすいでしょう。
また、連絡ルールを明確にすることも重要です。
- 定期的な打ち合わせの曜日・時間
- 連絡手段(メール・チャットなど)
- 返信までの目安時間
これらを最初に決めておくと、クライアントとの信頼関係を築きやすくなります。
案件獲得の方法

副業を始める準備が整ったら、案件を獲得する段階に入ります。
副業マッチングプラットフォーム
副業マッチングプラットフォームは、企業と副業人材をつなぐサービスです。
代表的なものは以下の通りです。
- 複業クラウド
- Offers
- エンジニアデータバンク
プロフィールには、解決できる課題・具体的な成果・担当業界を明記します。
例えば「IT戦略の立案が得意です」ではなく、「基幹システム入れ替えで決定から導入まで統括し、業務効率を30%向上させた成果があります」と具体的に書くと効果的です。
副業マッチングプラットフォームではスカウトを待つだけでなく、自分から案件に応募することも大切です。
募集内容を読み、自分のスキルがどの部分で貢献できるか積極的にアプローチしてみましょう。
最初は、小規模な案件から始めて評価を積み上げることになります。
サービス上での評価は次の案件獲得に直結するため、少しずつ信頼を積み重ねていきましょう。
ビジネスSNSでの情報発信
LinkedInやWantedlyなどのビジネス向けSNSで副業を見つける方法もあります。
ITストラテジストとしての考え方、デジタル化推進での課題、最新のIT動向などを定期的に投稿していると、企業の担当者の目に留まり、相談や依頼につながるかもしれません。
投稿のポイントは、売り込みではなく「価値提供」の姿勢です。
IT専門家でなくても理解できる言葉を使い、読み手に「この人に相談したい」と思わせる内容を意識しましょう。
既存人脈の活用
既存の人脈からの紹介も、案件獲得の有力な方法です。
過去の同僚、取引先、勉強会・セミナーで知り合った人などに、副業を始めたことを伝えましょう。
例えば「最近、副業でIT戦略アドバイザーの仕事を始めたんです。もしIT投資やシステム導入で悩んでいる企業があればご紹介ください」など、軽い情報共有として伝えるのが効果的です。
まとめ
ITストラテジストとして身につけた戦略的な思考力やIT活用の経験は、副業市場でも高い需要があります。
IT戦略コンサルティング、DX推進支援、業務改善支援、IT研修講師など、スキルを活かせる分野は幅広くあります。
案件獲得では、副業マッチングサービス・ビジネスSNS・既存の人脈の3つを組み合わせて使うことで、安定した仕事を得やすくなります。
まずは小さな案件から始め、経験と信頼を積み重ねながら企業とのつながりを広げていきましょう。