「ITフリーランスは稼げる!」
そんな話を耳にしたことがあるかもしれません。
でも実際のところ、ITフリーランスの年収は高いといえるのでしょうか。
そこで本記事では、ITフリーランスの年収相場を徹底解説します。
フリーランスへの転身を考えている方はもちろん、すでに活動中で収入に伸び悩みを感じている方も、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ITフリーランスの平均年収はどのくらい?
まずは、ITフリーランスの収入水準を知るために参考となるデータを見てみましょう。
フリーランス向けマッチングサービス「Relance」が公表している調査結果では、以下のような年収データが示されています。

2022年と2024年、どちらの年も「500万円以上800万円未満」の層が最も多いことがわかります。
この数字を見ると、ITフリーランスは稼げるという印象を持つかもしれません。
しかし、ここで示されている年収はあくまで売上ベース(=年商)であり、手取り額ではありません。
実際には、ここから経費・税金・社会保険料などを差し引いた金額が、フリーランスの実質的な「所得」となります。
例えば、年間600万円の売上があるとしましょう。
月50万円の案件に1年間継続して参画したイメージです。
この場合、必要経費や各種負担を差し引くと実際の手取りは「400万円〜450万円程度」に落ち着きます。
年収相場は職種やスキルによって変わる

ITフリーランスの年収は、職種やスキルによっても変わります。
ここでは代表的な職種別・スキルによる報酬の違いを解説します。
職種別の報酬水準
エンジニア職はITフリーランス市場で最も案件数が多く、特にバックエンドやフルスタックの分野は安定して高単価です。
月単価70万円以上の報酬も珍しくなく、スキル・実務経験によっては100万円を超える人もいます。
デザイナー職では、WebデザインやUI/UXなど担当領域によって単価にばらつきがあります。
全体的にはエンジニアよりやや低めの傾向ですが、プロダクト開発に深く関わるポジションでは高単価案件を受けることも可能です。
PM(プロジェクトマネージャー)やPL(プロジェクトリーダー)は、月100万円を超える報酬も見込めます。
扱う技術による単価の違い
どんな技術を扱うかによっても年収に差が出ます。
ここでは言語別・領域別に単価傾向を紹介します。
言語別の傾向
PHPやJavaは、案件数が多く初心者でも挑戦しやすいですが、競合も多く単価は落ち着く傾向があります。
一方、GoやTypeScript、Kotlin、Rustなど比較的新しい言語は人材が少ないため、高単価案件が出ることもあります。
クラウド・インフラ系
AWSやGCP、Azureといったクラウド環境を扱う案件では、インフラ構築・運用に加え、DevOpsやIaC(Infrastructure as Code)といった関連スキルも求められます。
これらのスキルを実務レベルで活用できる人材には、100万円以上の高単価案件が提示されることも多く、設計や構成管理の経験があればさらに単価が上がりやすくなります。
AI・データ・セキュリティ領域
Pythonを使ったAI・機械学習案件や、ビッグデータの分析基盤構築なども需要が増加しています。
それに加え、サイバーセキュリティ領域は人材不足が顕著なため、専門スキルを持つ場合は月100万円超の案件も狙えます。
また、同じ技術を使っていても、設計力や要件定義の経験など上流工程に関わるスキルがあるかどうかで報酬は大きく変わります。
会社員との違い

ITフリーランスと会社員の違いはどうでしょうか。
ここではそれぞれの特徴を比較しながら、どんな点が異なるのかを見ていきましょう。
収入構造の違い
会社員の収入は、月給や賞与といった形で企業から定期的に支払われます。
給与からはあらかじめ所得税や社会保険料などが差し引かれており、手取り額が明確で、収入の見通しも立てやすいのが特徴です。
一方で、ITフリーランスの収入は「報酬単価×稼働日数」などで決まり、契約形態によって支払いサイクルや条件もさまざまです。
また、税金や保険料、業務にかかる経費は自分で計算・申告する必要があり、実際に使える金額は一定ではありません。
保障・福利厚生の違い
会社員は、健康保険や厚生年金、雇用保険といった社会保険制度に自動的に加入し、有給休暇や賞与、退職金制度などの福利厚生が整備されているのが一般的です。
病気や育児・介護など、ライフイベントに対するセーフティネットも手厚いと言えます。
対してフリーランスは、すべてを自己責任でカバーする必要があります。
国民健康保険・国民年金の加入は義務ですが、保障内容は会社員時代よりも限定的であり、休業補償や失業保険などはありません。
ただし、2024年11月からフリーランスも特別加入制度を利用して労災保険に加入できるようになりました。
働き方の違い
働き方という観点では、フリーランスは時間・場所・案件の選択などで大きな自由度を持っています。
フルリモートの案件や週3日稼働など、多様なスタイルを選べるのも魅力のひとつです。
ただし自由がある反面、納期や品質への責任は全て自分に返ってきます。
また、営業や契約、確定申告といった業務外の仕事も自分でこなす必要があるため、「実働時間=労働時間」とは限りません。
会社員のようにサポートを受けられる環境とは異なり、フリーランスは自己管理能力と自律的な行動が求められる働き方です。
ITフリーランスとして年収を上げるために必要なことは?

ITフリーランスとして収入を伸ばすために必要なことはどんなことでしょうか。
ここでは、実際に年収アップにつながる現実的な手段を紹介します。
高単価案件を狙う
年収を上げるために最も重要なのは、単価の高い案件に安定して参画できるポジションに常に身を置くことです。
そのためには、高単価案件とつながる経路を複数持つことが大切になってきます。
レバテックフリーランスやITプロパートナーズなどのIT特化型エージェントを活用すれば、高単価案件に出会える確率は上がります。
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クライアントとの付き合い方
クライアントとの付き合い方にも工夫が必要です。
納期を守る、丁寧なやりとりをするといった行動が信頼につながり、結果として継続案件や紹介のチャンスが広がります。
過去に関わったクライアントから直接依頼を受ける「直請け案件」に発展すれば、中間マージンをカットできる分、実質的な収入が増えることになります。
目の前の仕事に丁寧に取り組み、しっかりと関係を築く意識を持つことがフリーランスとしての収入アップのコツです。
案件以外の収益源も視野に
収入を伸ばすためには、案件収入だけに頼らないという考え方も大切です。
例えば、ブログによる広告収益や、オンラインコンテンツの販売といった方法はITフリーランスと相性の良い収益源といえます。
これらの取り組みは、収入アップにつながるだけでなく専門性や発信力のアピールにもなり、結果的に案件獲得にも良い影響を与えることがあります。
まとめ
ITフリーランスの年収は、必ずしも高いとは言い切れません。
しかし、エージェントの活用や直請け案件の獲得、副業による収入の多角化など工夫次第で年収を高めることは十分に可能です。
ITフリーランスへの転身を検討している方は、現在の働き方や収入と比較しながら自分に合っているか慎重に判断しましょう。