IT人材へのニーズが高まる中、注目を集めているのが「ITパスポート」という資格です。
ITパスポートは、年間応募者が30万人ほどいる人気資格ですが、保持していると副業に活かせるのでしょうか?
この記事では、ITパスポートの特徴や取得するメリットを整理しながら、副業にどうつなげていけるのか、具体的な方法まで紹介します。
目次
ITパスポートとはどんな資格?

ITパスポートは、「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家試験で、実務運営を独立行政法人情報処理推進機構が担っています。
学生から社会人までITに関する資格です。
出題範囲
- ストラテジ系:経営戦略、システム戦略、企業活動など
- マネジメント系:開発技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメントなど
- テクノロジ系:基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、ネットワークなど
CBT(Computer Based Testing)方式で、全国の試験会場からパソコンを使って受験します。
四肢択一式で100問、試験時間は120分です。
合格率
ITパスポートの合格率は50%前後です。
独学でも地道に勉強すれば、合格は難しくありません。
IT業界への入門編としておすすめの資格といえます。
ITパスポートを活かせる副業4選

ITパスポートを取得したからといって、それだけで仕事の依頼が来るわけではありません。
ただ、資格で身につけたIT知識をうまく応用すれば、取り組みやすい副業はあります。
ここでは、ITパスポートを持っていることで有利になる副業を4つ紹介します。
アプリ開発
まずは、アプリ開発です。
アプリ開発は、自分でアプリを作って収益化する方法と、依頼を受けてアプリを作る方法があります。
例えば、自分で家計簿アプリや学習サポートツールなどを作ってアプリストアに公開すれば、広告や販売で収益を得られます。
ダウンロード数が増えるほど収益も伸びやすくなります。
一方、スキルがある程度身についていれば、「アプリを作ってほしい」という依頼を受けて報酬を得ることも可能です。
ノーコードツール(GlideやBubbleなど)を活用すれば、専門的なプログラミング知識がなくてもアプリを制作できます。
簡単な業務ツールや社内向けアプリなど、比較的取り組みやすい案件もあります。
IT系ライター・記事作成
ITパスポートで得た知識があれば、IT分野に特化したライターとして副業を始めることも可能です。
特に、初学者向けのIT解説や資格関連の記事を求めるメディアも多く、ITパスポートの知識レベルで対応できる案件が多数あります。
「勉強法」「試験対策」「合格体験談」など、実際の経験を元にした記事は需要があり、執筆しやすいジャンルです。
初級者向けの記事から実績を積み、継続案件や単価アップも見込めます。
情報発信
ITパスポート関連の情報発信で収益を得る方法もあります。
例えば、YouTubeでIT用語や資格対策を解説したり、自身のブログで学習記録などを発信することで広告収入やアフィリエイトにつなげることが可能です。
また、Udemyやストアカといったオンライン学習プラットフォームで講座を開設したり、学習資料を有料配布する形での収益化も考えられます。
コンテンツを企画・制作する手間はありますが、継続的な収入が見込める資産性が大きなメリットです。
収益化には時間がかかることもありますが、将来を見据えた副業として始める価値は十分にあります。
個人向けITコンサルティング
個人事業主や小規模事業者を対象に、IT活用のアドバイスや導入支援を行う副業です。
例えば、セキュリティ対策についての基本的な相談や、クラウドサービスの導入方法のアドバイスなどが該当します。
ITに不慣れな方はいまだ多く、ITパスポートで得た幅広い知識を活かせる機会が広がっています。
継続的な契約に発展することもあり、安定収入につながりやすい副業です。
副業目的でITパスポートを取得するメリット
ここで、ITパスポートを副業目的で取得するメリットについて見ていきましょう。
IT知識の証明になる
ITパスポートを保有していると、基本的なITリテラシーを客観的に示せます。
国家資格でもあるため、クライアントに対して安心感を与えられます。
幅広い分野に対応できる
ITパスポート試験では、ハードウェア・ソフトウェア、ネットワークやセキュリティ、経営戦略、法律、プロジェクト管理など幅広い内容を学びます。
そのため、プログラミング、ライティング、Web制作、ITサポートなどさまざまな副業に挑戦しやすいという強みがあります。
他のIT系資格に挑戦しやすくなる
ITパスポートは、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験といった上位資格へのステップとして役立ちます。
将来的に高単価のエンジニア案件や専門性の高い副業を目指すなら、基礎として学んでおく価値があります。
副業目的でITパスポートを取得するデメリット
次に、ITパスポートを副業目的で取得するデメリットについても見ていきましょう。
実務スキルの証明にはならない
ITパスポートは知識を問う試験であり、プログラミングやネットワーク構築のような実務スキルを証明するものではありません。
あくまでも「ITの基本的な考え方を理解している人」という評価にとどまるため、技術職や専門性の高い業務を目指す場合は、追加のスキル習得が前提となります。
高単価案件に直結しにくい
ITパスポートは汎用的な知識を扱う資格で、専門性はそれほど高くありません。
そのため、高報酬が見込める専門職向けの副業には直結しにくいのが実情です。
収益性の高い副業を目指すなら、以下のような対策を検討しましょう。
- 基本情報技術者試験など、上位資格の取得
- プログラミング、SEO、クラウドなどの実務スキル習得
- ポートフォリオやブログなどによる実績の可視化
競合が多い
ITパスポート試験は受験者数が多く、合格率も高めです。
その分、合格者の数も多く、副業を目指す人の間では差別化が難しい資格とも言えます。
資格を持っているだけでは他の人と同じ土俵に立ってしまい、案件獲得が難しくなることもあります。
経験やスキルなど、資格以外の強みをどう見せていくかが、副業として成功する上でのポイントです。
ITパスポートを活かして副業を始めるステップ

ITパスポートを取得したあとは、副業の準備を始めましょう。
ここでは、副業案件を受注するためにクラウドソーシングサービスへの登録を意識したステップを紹介します。
ステップ1:スキルの棚卸し
まずは、自分に何ができるのか、どの分野に適性があるのかを整理しましょう。
ITパスポートで得た知識に加えて、現在の仕事やこれまでの経験、趣味なども書き出してみるのが効果的です。
例えば、営業経験がある場合はITサービスの営業支援、教育分野での経験があれば資格講座の企画・運営など、自分ならではの強みが見えてくるかもしれません。
ステップ2:ポートフォリオの作成
スキルの整理ができたら、自分の強みを伝える手段としてポートフォリオの準備に取りかかりましょう。
実績がまだない場合でも、ポートフォリオがあることで信頼性を補い、自分の価値を伝えやすくなります。
ブログでITパスポート関連の情報を発信したり、知人からの相談に無償で対応し、その内容を実績としてまとめておくと効果的です。
プログラミングや執筆ができる場合は、GitHubでコードを公開したり、noteに記事を投稿したりすると、クライアントへの説得力が増します。
ステップ3:クラウドソーシングサービスへの登録
ポートフォリオが整ったら、いよいよクラウドソーシングサービスへの登録に進みます。
最初から1つに絞らず、複数のサービスを併用することでより多くのチャンスを得やすくなります。
例えば、クラウドワークスは初心者向け案件が多く、実績ゼロの状態でも始めやすい環境が整っています。
ランサーズも同様に大手で、実績を積み重ねることで「認定ランサー」として信頼度が上がっていきます。
ココナラでは、ITパスポート対策講座やITに関する相談サービスなど、自分独自のスキルをパッケージとして出品が可能です。
各プラットフォームでのプロフィール作成も重要です。
自己紹介文は共通でも構いませんが、媒体ごとの利用者層に合わせて言い回しを調整すると効果的にアピールできます。
まとめ
ITパスポートは、取得するだけで高収入につながる資格ではありませんが、副業の入り口としては十分に役立ちます。
ITパスポートで得た知識を活かし、副業で月に3〜10万円ほどの収入を得ることは射程圏内です。
ただ、より安定した収益や高単価の仕事を目指すなら、「基本情報技術者試験」などの上位資格に挑戦することも視野に入れるべきでしょう。
IT人材の不足が続く今だからこそ、あなたの知識やスキルを必要とする人が必ずいます。
ぜひITパスポートを取得して、副業に挑戦してみましょう。