バックエンドエンジニアへの憧れがあるが、自分に適性があるのか分からないという方もいるのではないでしょうか。

バックエンドエンジニアに向いている人には、いくつかの共通した特徴があります。

この記事では、バックエンドエンジニアの業務内容を基に、どのような人が適性があるのかを解説します。

バックエンドエンジニアの仕事内容

バックエンドエンジニアは、Webサービスやアプリケーションの「裏側」を担当する技術者です。

システムを正常に動作させるためサーバーサイドのプログラミング、データベースの設計と管理、APIの開発などを行います。

例えばユーザーがWebサイトで会員登録をしたり、商品を検索したりする際、情報を適切に処理して保存し、必要なときに取り出す仕組みの構築などが挙げられます。

また、アクセス過多によってサーバーがダウンしないようにしたり、個人情報が漏洩しないように保護したりといったセキュリティ対策も、バックエンドエンジニアの責任範囲に含まれます。

フロントエンドエンジニアが作った画面を動かすためのデータ提供や、インフラエンジニアが構築したサーバー環境での開発など、他の職種との連携も日常業務の一部です。

バックエンドエンジニアに向いている人の特徴

ここで、バックエンドエンジニアに向いている人の特徴を挙げてみましょう。

論理的思考力がある

バックエンド開発では、複雑な処理を順序立てて組み立てる能力が不可欠です。

データベースから情報を取得し、条件に応じて加工し、適切な形で返すという一連の流れを設計する際、論理的な思考がなければ効率的なシステムは作れません。

例えば、ユーザーの検索条件に沿って商品を表示させたいときを例にします。

価格帯、カテゴリー、在庫状況など、複数の条件を組み合わせて最適な検索結果を返すには、どの順番で処理を行うか、どのようなデータ構造にするかを論理的に設計する必要があります。

数学の証明問題を解くのが好きだった人や、物事を体系的に整理することが得意な人は、バックエンドエンジニアに適性があるといえます。

感覚的に判断するよりも、考えることを好む性格であれば、バックエンド開発の場面で強みを発揮できるでしょう。

問題解決が好き

バックエンド開発では、エラーやバグとの戦いが日常的に発生します。

コードを書いている最中にエラーメッセージが表示されたり、本番環境で予期しない動作が起きたりすることは珍しくありません。

エラーが発生した場合、ログを確認してどこで問題が起きているのかを追跡し、関連するコードを調査し、仮説を立てて検証するという作業を繰り返しますが、時には数時間かかることもあります。

また、システムのパフォーマンスが悪いときは、データベースのクエリを最適化したり、キャッシュを導入したりすることで、処理速度を向上させる方法を模索します。

このような問題に直面したとき、解決策を見つけ出すまでのプロセスを楽しめる人がバックエンドエンジニアに向いています。

地道な作業を継続できる

バックエンド開発の過程では、地道な作業が数多くあります。

テストコードの作成、コードレビュー、ドキュメントの整備、セキュリティ対策の実装など、目立たないけれどどれも必要な作業です。

特にテストコードの作成は時間がかかり、すぐに成果が見えるわけではありませんが、長期的にはシステムの品質を保つために不可欠です。

データベースのマイグレーション作業やログの整備なども同様に、堅実さが求められる業務と言えます。

裏方としてより良いシステムを作ることに喜びを感じる人が、バックエンドエンジニアに向いています。

学習意欲が高い

バックエンド技術は進化のスピードが速く、新しいフレームワークやツールが次々と登場します。

数年前に主流だった技術が、あっという間に時代遅れになることも珍しくありません。

このような環境で働くには、継続的に学習する意欲が不可欠です。

例えば、データベース技術ひとつとっても、従来のリレーショナルデータベースに加えて、NoSQLデータベースや時系列データベースなど、用途に応じた選択肢が増えています。

最適な技術を選択するためにも、常に新しい情報をキャッチアップする必要があります。

業務時間外に技術書を読んだり、新しい言語を学んだりすることを苦痛に感じない人が適しています。

協調性がある

バックエンドエンジニアは、一人で完結する仕事ではありません。

フロントエンドエンジニアとAPIの仕様について話し合ったり、インフラエンジニアとサーバー環境について相談したり、プロダクトマネージャーと機能要件を確認したりと、さまざまな職種の人と協力しながら開発を進めます。

例えば、フロントエンドエンジニアが必要とするデータの形式について、双方が納得できる設計を話し合う場面があります。

バックエンド側の都合だけでAPIを設計すると、フロントエンド側で使いにくいものになってしまいます。

逆にフロントエンドの要望をすべて受け入れると、バックエンドの処理が複雑になりすぎることもあります。

このようなときに、双方の立場を理解して最適な落としどころを見つけるコミュニケーション能力が必要です。

建設的な意見交換ができる協調性がなければ、チーム開発はうまく進みません。

技術力だけでなく、チームの一員として貢献する姿勢を持てる人が、バックエンドエンジニアには求められます。

システム全体を俯瞰できる

バックエンドエンジニアは、自分が担当する部分だけを見ていればよいわけではありません。

システム全体のアーキテクチャを理解し、自分の実装が他の部分にどのような影響を与えるかを考える視点が必要です。

例えば、新しい機能を追加する際に、その処理がデータベースに大きな負荷をかけないか、既存のAPIとの整合性は取れているか、セキュリティ上の問題はないかなど、多角的に検討する必要があります。

目の前のコードだけに集中しすぎると、システム全体のバランスを崩してしまう可能性があります。

また、技術選定をする際にも、その技術が現在のシステムにどう組み込まれるのか、将来的な拡張性は確保できるのかを考えなければなりません。

細部にこだわることも大切ですが、同時に全体像を見失わない視点を持てる人が、バックエンドエンジニアとして求められる適性です。

まとめ

バックエンドエンジニアに向いているのは、論理的思考力があり、問題解決を楽しめる人です。

この記事で紹介した特徴に多く当てはまると感じた方は、バックエンドエンジニアとしての適性がある可能性が高いでしょう。

バックエンドエンジニアに興味を持たれた方は、まず簡単なWebアプリケーション作りから始めてみると良いかもしれません。